「脳波」と聞いてイメージするのは、悪者に実験台らしき台に張り付けされて、頭にも怪しいヘッドフォンを取り付けられて、洗脳されて、被験者が悲鳴を上げた後、町に繰り出して、いろんな悪さをする。そんなシーンを仮面ライダーかな?特撮ヒーローもので観たような覚えがあります。
そんな脳波…実は睡眠と深い関係があります。
脳波は睡眠の深さを知る上でのバロメーターでもあります。
睡眠と脳はの関係。睡眠が深い時、あるいは、浅い時、それぞれどんな脳波をなっているのか?そもそも脳波とは何なのか?
睡眠検定1級である私、そうきちに出来るだけ、簡単に、そして、わかりやすくまとめたので、解説させてください。
この記事を読むのに8分~10分で想定しています。この8分~10分間、この記事にお付き合いくださることで、睡眠と脳波の関係を知ることができます。
睡眠に対する意識も変わってくると思います。幸せな睡眠ライフへの第一歩となるのではないでしょうか?
脳波とは?
脳波には張り巡らされた神経細胞があります。
神経細胞が活動する時に超微量な電気が発生します。
神経細胞から発する電気を察知するのを脳波計で測定したものが脳波になります。
単位はHz(ヘルツ)で、1秒間に出現する波の数で表現しています。周波数と呼ばれます。
リラックスした状態で目を閉じていると、規則正しい脳波が現れます。この脳波はα波です。
目を開けてしまうとα波は消えてしまいます。
睡眠段階
睡眠は睡眠時間中の脳波の状態を4段階に分けることができます。4段階にはそれぞれ特徴があります。
睡眠段階1の特徴は?
- α波の出現する割合が50%以上であれば、覚醒。起きている状態です。
- α波の出現する割合が50より少ないと睡眠段階1級と判定することもあります。
睡眠段階1の時には入眠時心象という状態がしばしば発生します。
※睡眠時心象 寝入る時に似た心理的のこと。鮮明で幻覚にとても似ています。
睡眠段階2
睡眠段階1からさらに睡眠が進むと、紡錘波とK複合波が現れ、睡眠段階2と判断されます。
睡眠段階2に入ると、外からの刺激があっても応答が著しく低下し、眠っているという睡眠感がでてきます。
※紡錘波…周波数14~16Hzの波。糸巻状の波。
※K複合波…高振幅の波をその後に続く速波で構成される複合的な波のこと。
睡眠段階3、睡眠段階4
睡眠段階2の後半になると、デルタ波が出現します。
デルタ波の周波数は0.5~2Hzのとてもゆったりとした波です。
デルタ波の出現する割合が20%以上になると睡眠段階3と判定されます。
さらにデルタ波の出現する割合が50%になると睡眠段階4と判断されます。
睡眠段階3、睡眠段階4を合わせて徐波睡眠と呼びます。
睡眠段階1と睡眠段階2は浅い睡眠の状態です。 睡眠段階3と睡眠段階4は深い睡眠の状態だといえます。
睡眠段階3、睡眠段階4の時は外からの刺激には反応が鈍く、起こそうとしてもなかなか目覚めてくれません。
レム睡眠
入眠から1時間経過するとデルタ波はいなくなります。
そして、睡眠段階1と同じ脳波の状態となります。
ただし、睡眠段階1と違う箇所があります。それは、目がキョロキョロと動く現象が現れます。
目がキョロキョロ動いく現象は球速眼球運動…REM(レム)です。
レム現象がある睡眠区間がレム睡眠になります。
レム睡眠以外の区間がノンレム睡眠です。
睡眠段階1~睡眠段階4の区間はレム現象は起きていないのでノンレム睡眠になります。
レム睡眠と睡眠段階1の脳波はそれぞれ同じ状態なので、どっちが睡眠段階1でどっちがレム睡眠なのか判断できません。
脳波だけでは判断できないので、脳波以外の部分、眼球運動やオトガイ筋(アゴにある筋肉)などの測定でレム睡眠なのか睡眠段階1なのかを判断します。
脳波&眼球運動&オトガイ筋の3点セットで測定した図の事を睡眠ポリグラフと呼ばれています。
話を戻します。レム睡眠は睡眠段階1と違って、脳波の状態は同じでも、外からの刺激に対してはとても鈍いです。
睡眠段階1は浅い睡眠状態ですが、レム睡眠時は浅い睡眠状態には当てはまりません。
睡眠周期の特徴
睡眠段階1~睡眠段階4はノンレム睡眠です。
ノンレム睡眠の後にレム睡眠が続きます。
このサイクルを一晩の中で4~5回繰り返します。
ノンレム睡眠とレム睡眠をワンセットで80分~100分周期で回しています。
睡眠段階3、睡眠段階4の特徴
睡眠段階3、睡眠段階4は主に睡眠の前半に集中して現れます。
1回転目は一晩のうち50%以上、2回転目ですでに80%~90%に達します。3回転目以降はほとんど少ないです。
また、覚醒している時(起きている時間)が長ければ長いほど、その反動で、睡眠段階3もしくは睡眠段階4の時間も長くなります。
逆に昼寝を沢山してしまうと起きている時間も短くなってしまうので、自ずと睡眠段階3、睡眠段階4の時間も短くなります。
レム睡眠の特徴
レム睡眠は体温と深い関係があります。
体温が高いとレム睡眠が短くなり、体温が低くなるとレム睡眠は短くなります。
また、1日の中で体温が最も高いのは夕方。逆に低いのは明け方です。
よって、入眠時は体温もまだ下がり切れていないのでレム睡眠は短く、明け方は体温が低い状態なのでレム睡眠は長くなります。
朝に夢を見ることが多いのはレム睡眠が長い証です。
年齢によって睡眠段階の特徴
年代別でも睡眠段階の割合は違います。
まず、成人期については睡眠段階1は5% 睡眠段階2は50% 睡眠段階3+4で20%、レム睡眠は25%です。
年を重ねていくに連れて睡眠段階1・2の割合が増えていき、逆に睡眠段階3+4の割合が少なくなっていきます。
まとめ
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠がワンセットで一晩に4~5回転で繰り返しています。
また、ノンレム睡眠は睡眠段階として4つに分けられています。睡眠段階1,2は浅い睡眠。睡眠段階3,4は深い睡眠状態になります。
睡眠検定ハンドブック この本を参考にしました!
「睡眠検定ハンドブック」
この記事を書く上で参考にさせていただきました。この本のおかげで睡眠検定1級に合格することができました。
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